マレーシアには絶滅の危機に瀕している希少動物が多く存在します。マレーシアの国土における森林被覆面積(土地がどのぐらい森林に覆われているかを示す数値)は日本の林野庁のデータによると2020年は43%でした。
ジャングルが多いイメージのマレーシアですが、年々開発が進み森林面積は減少傾向にあります。その影響を受けるのが野菜の動物たちです。
クアラルンプールから東海岸に向かう途中、パハン州(Pahang)には政府が運営する野生の象の保護センターがあり、傷ついたり、親と離れた象を保護し最終的には森に返す活動をしています。
人間にもっとも近い霊長類と言われるオランウータンも絶滅危惧種です。マレーシアの島嶼部(とうしょぶ)であるボルネオ島(カリマンタン島)サバ州(Sabah)には大規模な保護センターがあります。
国内のさまざまな保護センターの一部は一般に公開されていて自然に近い状況や近い位置で保護された動物を見学、ふれあいをすることができます。そこで今回はパハン州イポー(Ipoh)から北西へ約85km、車で1時間ほど、クアラルンプールからは車で3時間の距離にあるオランウータン保護施設のあるブキメラレイクタウンリゾート(Bukit Merah Laketown Resort)をご紹介します。
オランウータン島のあるブキメラレイクタウンリゾートとは
ブキメラレイクタウンリゾート(Bukit Merah Laketown Resort)は人造湖のブキメラ湖(Bukit Merah Lake)のほとりにあるリゾート施設で、ウォーターパーク、自然たっぷりのレクリエーション公園、水上ホテルなどもあるローカルに人気の観光スポットです。
このブキメラ湖(Bukit Merah Lake)に浮かぶ島全体がオランウータンアイランド(Orang Utan Island)で、オランウータン保護施設となっています。正確には「生息外保護区」となります。
オランウータンアイランド(Orang Utan Island)へはこのブキメラレイクタウンリゾート(Bukit Merah Laketown Resort)の桟橋から離発着するボートに乗船して向かいます。片道15〜20分ほどの旅になります。湖面は穏やかで涼風が吹き抜け快適です。
ボートのスケジュールは1日5往復。ツアーガイドがつきどの行程も1時間15分となっています。最終ツアーの出発は15:30となります。各コースとも早めに桟橋の待合で待機しているようにしましょう。待合にはアイスクリームなどを販売するキオスクもあります。
注意として水位が下がる期間は運行がされないので公式ページなどで事前にチェックしてから出かけましょう。また雨季は天候を確認して場合によってはレインコート、長靴などの用意をしていった方が無難です。基本的に屋内型のツアーではありません。
ボートツアーのスケジュールはこちら
オランウータン島でのアクティビティについて
桟橋にボートが着岸してまず気づくのは、ここでは私たちヒトが鉄網が張られてる決められたコースの中を歩いて島内を散策するというとです。オランウータンは広い敷地内のどこかでのびのびと生活しています。自然に近い状態のため順路を歩いてもオランウータンがなかなか姿を表せないこともあります。
本来の環境になるべく近い形で保護されているのがオランウータン島の特徴です。
この日はなかなか姿を現さないようでした(初見の場合、そんなものかなと思いますが……)。しかしガイドさんが好物のバナナや果物を取り出して呼ぶと山から降りてきて渡してもらったものを手を出して美味しそうに食べていました。至近で見るオランウータンはとても大きく、人間の2倍以上あるように見えて少し怖いぐらいでした。
実際にオランウータンはとても握力がとても強く、一説によると約350kgもあるそうです。もちろん気の優しい動物で知られていますが、安全性を考慮して島内は柵が二重にめぐらせてあるとところもあります。ボートを降りて最初のところの注意書きにもありますが、小さいお子さんと一緒の場合はじゅうぶん注意しましょう。
それでもどこかヒトと似ているようなところもあるオランウータンにどこか親しみをもたずにはいられません。
このような活動を公開しているのは、絶滅危惧種となっているため研究や個体を増やすなどオランウータン保護センターの活動を知ってもらいたいという目的もあるとのことでした。ツアーの最後はスーベニアショップにも寄ります。ここで販売された収益の一部は保護センターの運営費になるそうです。
周辺地域のその他の観光スポットについて
オランウータンを間近で見られるのはなかなかない体験なのですが、それだけのために行くのはもったいないような気がします。特にアクセスは車のみ(もしくは日帰りツアー、宿泊ありのツアーなどに参加する)となるからです。
そこでオススメなのが近隣の都市タイピン(Taiping)も同時に訪れるプランです。タイピンは中華系マレーシア人が多く、中国語で「長く続く平和=太平」という意味があるそうです。
タイピン(Taiping)はブキメラレイクタウンリゾート(Bukit Merah Laketown Resort)からクアラルンプールへ向かう南に約18km、車で30分ほどのところにあります。
マレーシア最古の動物園の一つタイピン動物園(Taiping Zoo)、大小10ヶ所の湖や池のあるタイピンレイクガーデン(Taiping Lake Garden)など豊かな自然に囲まれていることでも知られている。古い街並みが残ることでも知られ、マレーシア最古のホワイトコーヒー焙煎工場として知られるアントンコーヒー(安東珈琲)、マレーシアの祝日には欠かせない花火の工場なども。
またマレーシアのミネラルウォーターで知られるスピリッツァー(Spritzer)のボトリング工場もありおいしい地下深層水が湧き出る場所としても知られています。
動物と触れ合ったり、あまり行かない場所に出かけ日常から離れリラックスしてみるのもよい気分転換になるのではないでしょうか。