親日国で食事も美味しい台湾。
おしゃれなカフェや親切な台湾人とふれあい、ここで働きたいと思った人も多いのではないでしょうか。
台湾の日本人求人は、経費削減や人手不足で駐在員を出せない日本企業が日本人を現地採用で採用する場合などに発生します。
ただし、中国語がビジネスレベルで求められる、給与が安い、日本語が(異様に)上手い台湾人がライバルとなるなどの要因で、甘くないのが台湾での現地採用の現実です。
海外就職の前に台湾の概要を知ろう!
台湾の基本情報
正式国名 台湾(中華民国)
面積 36,000平方キロメートル(日本の10%)
人口 2,357万人 (97%が漢民族。2%が少数民族。1%がその他)
首都 台北
総統 蔡英文
出典:VOA via wikimedia
主要都市 台北、台中、高雄
通貨 ニュー台湾ドル(NTD) 約4.11円(2022年2月現在)
言語 中国語、台湾語、客家語など
日本との時差 −1時間
日本人と日系企業
在住邦人数 24,280人(2018年10月)
進出日系企業数 1,284社(2020年10月)
経済情報
GDP成長率 5.8%(2021年)
1人あたり名目GDP 33.401ドル(2021年主計處)
主要産業 農業1.7%,工業35.4%,サービス業62.9%
有力企業 鴻海精密工業(EMS)、TSMC(半導体ファウンドリ)、台塑集團(プラスティック)
今後、米中貿易戦争で台湾の役割が高まるとの憶測があります。
生活
祝日(2022年)
1月1日 中華民国開国記念日
1月29日~2月6日 旧正月休暇
2月28日 平和記念日の休み
3月1日 調整休日
4月4~5日 清明節の休み
6月3日 端午節の休日
9月9~10日 中秋節の休み
10月10 国慶節の休み
*休暇が長い旧正月文化です。
平均気温 通年で暑い。台北の月平均気温は16.3〜29.7度(通年で暑い。7〜8月が暑さのピーク)。
タクシー 日本同様、道で拾える。2017年にUberが再参入。
コンセント 電圧110V。日本と同じくAタイプが普及する。
国際電話番号 +886
SIMカード 自由に買える。身分証明書の提示は必要。主な通信会社は中華電信、遠傳電信、台湾大哥大など。
働く国になりにくい、魅力だらけの台湾
魅力だらけの台湾。南国の温かい気候、優しい国民性、美味しい食事。旅行先としての台湾人気はとどまるところを知らず、2018年は200万人を超える日本人が台湾を訪れました。
台北市内を歩くと、日本文化が多いことに驚きます。テレビでは日本のドラマが日本とほぼ同じタイミングで放送され、モスバーガー、てんや、しゃぶしゃぶ温野菜、くら寿司など日本料理は何でもあります。
台湾にいる駐在員が言うのは「もっとも、日本国内で働いているような気持ちになれる外国、それが台湾」。商工会など日本人コミュニティも存在感があり、日本人らしさを求められやすい環境が合うかは人それぞれでしょう。
現地採用で働くにはハードルがあるのが台湾。まずは、給料が安く、マレーシアはおろか、もはやタイの現地採用と変わらない給与水準になっています。また、中国語ができないと仕事が見つかりにくい状況です。
台湾で日本人が海外就職目指すなら、日系メーカー、外資系様々な選択肢
それでも台湾大好きで働いてみたいと思う人には以下のような選択肢があります。
台湾にある外資系企業で働く
台湾の場合、台湾企業で働くという人は少ないです。ただ日本企業のプレゼンスが高いため、外資系の監査法人では、日本企業担当(営業)の募集が出ることなどあります。後は、台湾資本のホテルでも欠員が出れば募集があります。
また、メーカーでは技術移転を目的とした50代以降の技術者の求人が出ることがあります。これは台湾求人ではかなり高めの700〜800万円程度になることもあります。50〜60代でもマレーシアで働きたいという人はいますが、正直ご紹介できる案件は限られます。そんな中、手に職がある方はこういったポジションで働くことができます。
台湾の日系企業で働く場合
一方、多くの人にとって身近なのは台湾にある日系企業で働くことでしょう。
台湾で日系企業の場合、職種としては営業職が多いです。最近は人手不足で駐在員を送れない企業が増えて来ています。現地採用で安く済まそうという企業が増えてきています。
タイにある日系企業に物やサービスを売るといったニーズはあるからです。例えば日本人をターゲットに営業をかけている会社はまだまだあります。こういった企業のキーパーソンに食い込んでいくには、やはり日本人であることが大事なのです。
ただし台湾の場合、「日本語ペラペラの台湾人が多い」という問題があります。マレーシアのコールセンターでは日本語ネイティブであること自体セールスポイントですが、ここ台湾では日本人であることの市場価値が出づらいのです。
結局、日本人で中国語ができない場合、飲食、人材紹介会社、台湾のオフショアでコスト減を目的に進出している企業といった会社(当然給与安い)に雇用されればラッキーということになります。
デフレの国、台湾で働くということ
台湾は物価が上がっていないという問題があります。2017年の物価上昇率は0.6%で、ほとんど物価が上がっていません。給料も上がりにくい経済状態が続いています。
上海で自動車部品工場を経営する台湾人に話を聞いたところ、「台湾で働くのは辞めておけ」と言われました。上海で同じスキル・学歴があれば台湾の4倍の給与で雇ってくれる、と言われました。実際、多くの台湾人は中国、アメリカ、シンガポールなどでの就職を目指します。
あなたがそんな台湾にいくということはお金が目的だと厳しいでしょう。
やっぱり台湾で海外就職に挑戦したい?
台湾は素晴らしい場所です。民主主義が徹底されていて、外国人、同性愛者、少数民族などマイノリティにも優しい政策を打ち出しています。中国との明確な違いがあります。
ただし、経済力では中国はおろか、東南アジアの国と比べても優位性が失われつつあります。経済が伸びない以上、現地採用の日本人が入り込む余地は少なくなっています。
中国語ができることで可能性を広げつつ、目指す人は早めに台湾の企業や人材紹介会社にアプローチしていきましょう。
給料は月給50,000ニュー台湾ドル程度が多く、少しずつ上がるでしょうが、現地採用では過度な期待はできません。駐在員との待遇差に精神的に疲弊するかもしれません。
結局、台湾が好きで暮らしていきたいというモチベーションが何より大事になるでしょう。
ただし、新型コロナウイルスと香港問題など、台湾がにわかに注目を浴びています。今後、西側諸国陣営の最前線として台湾への投資が進むことで、これまでになかったようなホワイトカラーのポジションや起業のハードルが下がれば、台湾で働くことの魅力が増す可能性があります。
アジア就職でおすすめしたい人材紹介会社はJACリクルートメントです。
海外にいるとわかりますが、JACから紹介される求人って条件が良い案件や非公開案件が多い気がします。海外11カ国進出しているのもあるでしょうが、海外進出の歴史も1987年からと古く、海外にある日系企業と深い関係を築けています。日本だと「30代後半以降の管理職向け求人に強み」といったイメージが強いJACですが、海外ではもっと若い人も歓迎されますよ。
台湾を海外就職の舞台として選びたい?台湾で働くためのビザ要件
外国で働くためには、ビザが必要です。
ビザは働きたい国が発給します。多くの国では学歴要件やどの職種で何年の経験があるかの専門性が問われます。
台湾のビザ要件は普通です。
学歴要件 | 高卒以上 |
就労年数 | 大卒は2年以上、高卒は5年以上。 採用される職種と関連性のある就労経験が必要。修士以上の学歴、台湾の大学を卒業している場合、職務内容と専攻が合致していれば、就労年数制限は適用されない。 |
年齢制限 | 大卒24歳以上、高卒は23歳以上。(最終学歴が日本の教育機関の場合) |
最低給与 | 47,971台湾ドル(約17万5,000円)以上。2012年以降に台湾の大学を卒業した人は37,619台湾ドル(約13万8,000円)以上。 |
基本的に、人材紹介会社が仕事を紹介したり、企業が面接を申し出た時点で、あなたは台湾のビザ要件はクリアしていると思って問題ないです。
海外就職先としての台湾とマレーシアの比較
給与面や生活の満足度はマレーシアのほうが良いかもしれません。きれいなコンドミニアムに住めますし、地元の人と比べると相対的に高い給与です。英語も中国語も学べますしね。
ただし、台湾の雰囲気が好きな場合や中国語を学びたい場合(文章は繁体字です)、台湾の就職を検討しても良いかもしれませんね。
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