日本と比べ物価が安いといわれる東南アジアですがすでに日本の方が安いといった状況も起きています。
タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアの5か国からなるASEAN(東南アジア諸国連合)をリードするシンガポール(Singapore)では平均年収は560万円で1位。日本の440万円と比べると120万円高くなっています。
平均年収で2位がマレーシアのRM37422〜57573(約130〜200万円)、3位のタイが140万円となっています。
シンガポールはASEAN諸国の中でも国土が狭いこともあり、住居費が高いことで知られています。広さや築年数、立地などにより差があるため一概に比較はできませんが2LDKの家賃の平均は36万円です。生活費は日本とほぼ同等かそれよりもやや高めですが、外食費は日本の2倍になることも。
マレーシアは物価はシンガポールと比べると物価が安いことで知られています。もちろん物にもよりますが、2025年1月現在、2リットルのコカカーラがマレーシアではRM4.95(約172円)、シンガポールではSGD2.91(約333円)です。
※外国為替レートによって異なるため現在の目安です。記事執筆時のRM1=34〜35円で計算。
マレーシア就労で日本人がマレーシアで働く場合の月収
日本人がマレーシアで現地就職をする場合、雇用側の企業はビザの申請条件で最低月収RM5000(約17万7000円※)を就労者に支払う必要があるため年収は日本円で214万ほどになります。ですが、これはビザ取得のための最低ラインです。ただし技能によっては月収RM12000(約42万4000円)以上となるケースもあり、年収は約508万円と日本の平均年収を上回る計算になります。
また2025年2月からマレーシアで定められている労働者の最低月収RM1700(約48937円)はメイドなどを除く外国人労働者にも適用されます。ただしこ賃金は専門職ではなく一般労働者となるので日本人が海外就労する場合にはあてはまりません。
外国人が借りるコンドミニアムの家賃相場
現地就労で賃貸住宅に住む場合はコンド(コンドミニアム)を借りるかシェアハウスをするのが一般的です。日本人が住むのは全室エアコン完備でプールやジムが標準装備になっているような中級以上の物件が多いです。
マレーシアの家賃は広さの割には安いことで知られていますが、実際は立地やコンドミニアムを建てたデベロッパーなどによって差があります。
また同じコンド内にあり間取りが同じ物件でもオーナー(Landlord)が異なると家賃も全く異なったり、内装や家具の有無(マレーシアのコンドは家具家電付き、部分的家具家電付き、家具なしとあり、家賃が安くても家具なしの場合、初期費用が思ったよりもかかってしまうことも!)
クアラルンプール周辺地域の45平方メートルのコンドミニアムの1ヶ月の家賃(2025年1月現在) | |
ローカルが多めのエリア | RM1641(約57920円) |
外国人が多めの高級エリア | RM2500(約88239円) |
クアラルンプールの繁華街ブキッビンタン(Bukit Bintang)、ペトロナスツインタワー(Petronas Twin Towers)のあるKLCC徒歩圏内などに位置する高級コンドミニムの場合、シェアハウスでRM1200〜(約42355円〜)ほどが相場となっています。ただしマスターベッドルーム(エンスイート)の場合は自室にバスルームがあるためそれ以上となったりします。
職場に近い、スーパーや病院、銀行などが近い、夜遅くまでやっている飲食店やバーなどがあるなどメリットと防犯、渋滞などのデメリットと考えて選ぶようにしましょう。
クアラルンプールのオフィス街における平均的なランチの値段
日本同様に平日はランチメニューがあります。お店によっては土日でも平日と同じメニューが提供されていることもあります。
2025年1月現在、日本では社会人のランチ代の平均が1200円前後で、マレーシアは平均RM10〜20(約349〜698円)というデータがあります。これは主に屋台やローカルの飲食店のランチの平均値となっています。マレーシアの中でも首都クアラルンプールはかなり物価が高いためオフィス街の少し高級なランチであればRM30〜50(約1047〜1746円)ほど。
多民族国家であるため、選択肢も多く、アジアン、ヨーロッパ、中東、アフリカ、南米となんでもあります。また海外生活で日本食を食べたくなることもあるかと思います。為替レートにもよりますが、日本のチェーン系和食店などもあり、牛丼はRM9.9(約342円)前後となっています。
マレーシアのファストフードの価格は?
マレーシアのファストフードは日本でおなじみのものも多く、また現在のところこれら飲食店の代表的なメニューの価格は日本と比べると同程度かそれより安いことが多いようです。ただし一部のファストフード店は若干高めとなっています。
ファストフード | 主なメニューの価格 |
KFC | スナックプレート(Snack Plate) RM18.99(約657円)/オリジナルorスパイシーチキン×2、コールスロー、マッシュポテト、パン |
マクドナルド | マックバリューミール(McValue Meal) RM18(約623円)/ダブルチーズバーガー、ポテト(M)、ドリンク(M) |
サブウェイ | 6インチサブ(6-inch subs) RM9.95〜(約342円〜) ※RM9.95は日替わりで安くなる「今日のサブウェイ(Sub Of The Day)」の価格。 |
クアラルンプールの公共交通機関の通勤定期代や移動費
クアラルンプール市内は公共交通機関網が発達しているので通勤、通学に利用する人も多くいます。またGrabを始めとした配車サービスは安価で気軽に利用できるため月極契約をしたりして通勤、通学することもあります。
しかし、最近は時間帯や天候などの条件により同じ距離の移動でも運賃に2倍以上も差が出ることも多くなりました。一例となりますがクアラルンプール中心部から10kmほどの郊外へ移動した場合、日中のオフピークであればRM19(約657円)でしたが、ラッシュアワーにはRM49(約1696円)になるということもありました。Grabの時間帯による価格差はダイナミックプライシングの導入によるものと言われています。ピーク時の運賃体系を見直すことでドライバーの確保をする目的があるようです。
基本的にはマレーシアのSuicaやICOCAとも言われる交通系ICカードのタッチンゴー(Touch’n’Go)にトップアップ(チャージ)して利用となります。2025年1月現在、ターミナルのKLセントラル駅(KL Sentral)からペトロナスタワー(Petoronas Twin Towers)のあるKLCC駅までは5駅、14分の移動となります。運賃は現金RM2.4(約83円)、キャッシュレスRM2.1(約73円)となります。
物価が上がってきているといわれているマレーシアですが現地就労した場合、固定費が安いため比較的余裕ができる可能性もありそうです。