2025年マレーシアの治安や衛生面について注意すべきこと

日本では特殊詐欺や闇バイト関連の事件が発生し注意喚起がされています。マレーシアでも同様にここ数年、詐欺事件が増えてきました。

マレーシアではフィッシング、カードのスキミング、電話詐欺、個人情報が悪用されるといったことが増えてきていると日本でいう日銀にあたる中央銀行のバンクネガラ(Bank Negara/the Central Bank of Malaysia)からも警告がアナウンスがでています。

今回は最新のマレーシア治安と詐欺などについてお伝えします。

オンライン詐欺が増えているマレーシア

マレーシア統計局(DOSM)によると約3万4000件のオンライン詐欺が発生し2023年と比べて2024年は犯罪件数が35%も増加したと発表しました。SNS詐欺メッセージ、金融、恋愛詐欺、電子商取引、架空の融資話、架空の投資話などのカテゴリーのすべてで増加が見られました。

マレーシアではLINEとにたようなワッツアップ(WhatsApp)というメッセージアプリが普及しています。このメッセージアプリ経由で詐欺メッセージが届くこともあります。
日本でも宅配業者を装って個人情報などを引き出すために偽サイトに誘導するフィッシング詐欺などが問題になっていますが、マレーシアでも同様です。
これは実際に筆者のスマホに届いたメッセージです。
「あなたの荷物は番地(通りの名前)が抜けているので配達が差し止められてます。正確な住所を入力してください」とあります。
この宅配業者はマレーシアでもよく利用されていて知名度もあるため、実際にオンラインで注文したタイミングであれば思わずURLにアクセスしてしまうかもしれません。
ただし実際は、宅配業者を装った偽メッセージです。
マレーシア特殊詐欺犯罪
日本でも国際電話を悪用した詐欺が問題になっています。ワンギリでかけ直すことで高額な通話料金が発生したり、あるいは架空請求がきたりします。
これは実際に筆者のスマホにかかってきたものです。発信元はシリアです。全く覚えがないため無視して着信拒否をしました。さらに発信国を偽装している可能性もあるようです。
知らない番号からかかってきた場合はむやみにかかってきた電話に出ないようにしましょう。特にマレーシア生活が始まった当初は、いろいろな連絡をすることも多く、知らない番号からかかってくるのはやむおえません。
電話番号を交換して確認してからメッセージアプリでやりとりをするなどの対策が必要です。
またむやみに「イエス」などと言わないようにしましょう。内容がわからないときは「わかりません」「WhatsAppでメッセージをください」と伝えましょう。その際にも発信者情報を確認してからやりとりをしましょう。
マレーシア特殊詐欺犯罪
税金の未払いのためマレーシアの法を犯しているという偽メッセージもあります。絶対にリンクのURLを踏まないようにしましょう。不安があれば勤務先の人、ローカルの知り合い、友人などに相談することも必要です。
このように警察や政府、税務署(LHDN)を装ってかけてくることもあるためマレーシア王立警察(PDRM)も警告を出しています。

住宅への強盗、泥棒などに被害について

民家への強盗は日本よりも発生件数が多いのですが、中間層以上が住む住宅街やコンドは安全に対する施策がされているケースが多いです。

住宅街の入り口にはガードハウス(警護所)と呼ばれるチェックポイントが設置され24時間ガード(警護員)が出入を見張っています。ほぼノーチェックの住宅街もありますが、住民と許可された者(ゲスト、デリバリー、修理や工事)以外は中に入れないようになっているセキュリティがしっかりしているところも多いです。

アメリカでは住宅地をフェンスや塀で囲い、出入り口を制限したゲーティドコミュニティがあります。マレーシアでもそこまでのセキュリティではないにせよ似たような環境の住宅やコンドミニアムは多くあります。

そのような場所は強盗、窃盗、誘拐などの犯罪発生率が著しく低く、富裕層や外国人、日本人が多く住んでいます。

日本でもそうですが、どこなら確実に安全ということはありません。ただし周囲の環境や雰囲気をよく観察しましょう。古くても整備されているところもあれば、新しい街並みでも汚れが目立つなどに注意です。

またコンドを内見する際も両隣りのユニットや各階にあるゴミ捨て場なども目をとおしましょう。

マレーシアの中級以上のコンドはいつでもゴミが捨てられるように各階にゴミ置き場あり、ジェニター(ゴミ置き場や清掃の管理をするスタッフ)がいることも多いです。管理やゴミの捨て方の悪い居住者がいると害虫や害獣が発生したり悪臭が漂ってくることも。

また風通しが悪いコンドは暑いだけではなく、長期の旅行や一時帰国をしている間、室内にカビが生えるといったこともあります。

衛生面や環境について

マレーシアで楽しみたい食文化の一つは屋台飯ではないでしょうか。安全とは言い切れませんが、多くの屋台やストリートフード店、ローカルフード店は衛生に気をつけています。飲み物に入っている氷も専門の業者から購入したものを利用していることも多くなってきました。

ただし一部の店では食中毒を出したり、不衛生な状況が客によって撮影されSNSで拡散されたりするなど問題になっているのも事実です。まずは職場やローカルの人におすすめの店を教えてもらうなどしましょう。

マレーシアでは水道水が飲めないのが一般的です。コンドによっては館内に引き込む元栓にフィルターをつけているということもありますが、自宅では浄水器を使うのは一般的です。

実は水自体には問題がないのですが、水道管が老朽化しているため水質に影響しているという話もあります。

公共施設、ショッピングモール、空港などのトイレの床がびしょびしょに濡れていることもあります。それはムスリムの規範で排泄後にトイレットペーパーではなく水で洗浄するためです。そのためマレーシアのトイレには必ずといっていいほどハンドシャワーがついていてそれを使用します。近年は日本の洗浄便座があるところも増えています。郊外や田舎の方に行くと、バケツに手桶だけといったこともあります。

東南アジアの中でもマレーシアは衛生的です。ただし熱帯に属し気温も高いため注意が必要です。

外務省からも注意喚起がされていますが、マレーシアでも今一番気をつけなければならないのが特殊詐欺です。マレー語や英語、中国語のみなならず、日本語でもメッセージ、メール、電話などさまざまな方法があります。少しでも疑問に思ったら周りの人に相談するようにしてください。