【海外就職の基本】その国を好きになる〜ベトナム編

【海外就職の基本】その国を好きになる〜ベトナム編

勢いにのるベトナム経済。米中貿易戦争で棚ぼた的に外資の投資が止まりません。

日系企業も勢いが良い感じがします。日系企業はメーカーはもとより、ベトナム政府の積極誘致でIT企業も多く、こういった企業はちょっと今っぽい空気が流れています。

「海外来たら、より濃密な日本ムラが存在していて辛すぎる」という度合いが比較的低い国、それがベトナムな気がします。

海外就職の前にベトナムの概要を知ろう!

海外就職の前にベトナムの概要を知ろう!
地下鉄はまだなく、バイクが交通の主役

基本情報

正式国名 ベトナム社会主義共和国

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ベトナムの国旗

面積 329,241平方キロメートル(日本の87%)

人口 9,370万人 キン族(越人)約86%,他に53の少数民族がいる。

首都 ハノイ

首相 ファム・ミン・チン

ファム・ミン・チンベトナム首相
出典:内閣官房内閣広報室 Wikimediaから

主要都市 ハノイ(日系製造業大手が多い。首都のため規制産業の本社が多い。)、ホーチミン(商都。日系企業が多い)、ダナン(中部。オフショア拠点などが多い)

通貨 ドン 約0.0059円(2023年12月現在)
*ドンを見たら、「0」ふたつを消して、さらに「÷2」する。例えば、100,000ドンは「0」ふたつを消して1,000÷2=約500円、という感じで計算する。

言語 ベトナム語

日本との時差 −2時間

日本人と日系企業

在住邦人数 17,266人(2017年10月)前年比+6.9%

進出日系企業数 1,452社(2017年10月)前年比+10.9%

日系企業の進出はめざましく、ホーチミン日本商工会議所は上海、バンコクに次ぐ第3位の規模に成長しています。

経済情報

GDP成長率 6.0%(2018年)

1人あたり名目GDP 2,385ドル(2017年 越統計総局)

主要産業 農林水産業,鉱業,工業

有力企業 ビングループ、FPTソフトウェア、ビナミルクなど

ビングループはベトナムの大手不動産ディベロッパー
ビングループは大手不動産ディベロッパー 出典: Newone via wikimedia 

生活

祝日(2023年)

  •  1月1日(日): 新年
  •  1月2日(月): 振替休日(新年)
  • 1月20日(金)~26日(木): テト(旧正月)
  • 4月29日(土): 雄(フン)王記念日
  • 4月30日(日): 南部統一記念日
  • 5月1日(月): メーデー
  • 5月2日(火): 振替休日(雄(フン)王記念日)
  • 5月3日(水): 振替休日(南部統一記念日)
  • 9月1日(金): 振替休日(建国記念日)
  • 9月2日(土)~3日(日): 建国記念日
  • 9月4日(月): 振替休日(建国記念日)

*旧正月文化ですね。2月のテトが最も長い休暇となります。

平均気温 通年で暑い。ホーチミンの月平均は25.1〜29.5度(6〜8月が暑さのピーク)。ベトナムは南北に1,600kmの長さがあり、北部にあるハノイは冬は14度程度まで気温が下がる。

タクシー Grabなどカーシェアサービスが普及。

コンセント 電圧220V。日本と同じくAタイプが普及する(もしくはCタイプ)。

ベトナムのコンセント Aプラグ

国際電話番号 +84

SIMカード 自由に買える。身分証明書の提示は必要。主な通信会社はViettel、Vinaphone、Mobifoneなど。1GBはUSD5程度で買える。

ベトナムの強みは安い人件費

ベトナムの強みは安い人件費。海外就職のポイントとは
ホーチミンはカラフルなショッピングモールが多い

ベトナムは東南アジアの中でも経済発展が堅調(2017年6.8%)です。日本企業も中国からベトナムに工場を移転するなど積極的な投資が目立ちます。本当にベトナム経済には勢いがあります。

社会主義国家ではありますが、中国に比べれば、ネットの検閲などはほとんどないので、そこまで意識することはないでしょう。

日本にはないこの熱気を求めて、若い人がベトナムに働きに来ています。ベトナムでは正社員という雇用形態はなく、1年ごとの契約社員(有期雇用。更新あり)が一般的です。

朝は早い文化で勤務開始は8時30分からという企業が多いです。定時が17:30までです。ただ、日系企業だと、結局残業もあるので、朝早く夜までダラダラという勤務時間が長くなる悪い傾向にならないよう会社選びも重要です。

ベトナムで日本人が海外就職目指すなら、日系メーカー、外資系様々な選択肢

ベトナムで日本人が海外就職目指すなら、日系メーカー、外資系様々な選択肢
フランス統治時代の建造物が街の華やかさに一役買っている

いきなりベトナムで働くことは敷居が高そうだけど、実態はどうなんでしょうか。以下のパターンが一般的です。

ベトナムにある外資系企業で働く

ベトナムの場合、外資系企業のベトナム企業で働くという人は少ないです。もちろん、通信会社、銀行などは日本人向けの営業が必要なので、少なからずいます。

ただし、ベトナム企業のベース給与は当然ながら安く、20代の大卒だと月給がUSD500程度の人も多く、外国人がいくら高くもらえるとしてもたかが知れているといった水準になってしまいます。

欧米系の会社もあります。こちらの給与は高いです。具体的にはIT系の会社などはベースも高く、エンジニアにとって働きやすい環境が提供されています。また監査法人などもありますので、日本企業担当になれば、地場企業や日系企業に比べれば高い給与、良い勤務環境が保証されます。

ノマドの聖地になるベトナム・ホーチミン

ノマドの聖地になるベトナム・ホーチミン
ホーチミン日本領事館の近くにある洋館をリノベーションしてつくったノマド向けカフェ。世界各地から来ていました。

ホーチミンには多くの外国人が住んでいます。彼らの中にはITなどの専門性を持って、好きな土地で働いているノマドワーカーも多いです。実際、ベトナム政府がIT産業を海外から誘致していることもあり、ネットワーキングもしやすいということもあって、欧米中心に世界各地からノマドワーカーが集まっています。

また、彼らに居心地の良い場所を提供するシェアオフィスやカフェも多く、こういった場所は欧米人が経営していたりもします。ゆっくり時間を気にせずに、過ごせるこういった場所が沢山あるのもベトナムが人を引きつける魅力のひとつです。

ちなみにベトナムにもスターバックスは積極進出していますが、こういったチェーンカフェでもみんなそれぞれが仕事や勉強をしたり、だらだらしたりしていて、日本にはないおおらかさが本当に羨ましくなります。

ベトナムの日系企業で働く場合

多くの人にとって身近なのはベトナムにある日系企業で働くことでしょう。

ベトナムにある日系企業に物やサービスを売るといったニーズはあるからです。例えば日本人をターゲットに営業をかけている会社はまだまだあります。こういったキーパーソンに食い込んでいくにはやはり日本人であることが大事なのです。

ベトナムで日系企業の場合、職種としては営業職が多いです。最近は人手不足で駐在員を送れない企業も増えて来ています。現地採用で安く済まそうという企業が増えてきています。また、製造業の管理職、飲食店のスタッフなども求人としては多くあります。

普通の営業職の場合、給与はUSD1,500〜2,000程度からです。

日本企業の積極投資が続くベトナム。ということは、濃密な日本社会がそこにはあります。狭い日本人社会で上手くやっていくのはなかなか大変そうです。

ベトナムで救われる話としては、ベトナムはIT企業のオフショア拠点として発展してきたということです。

IT技術者を安く雇用できるということで、多くの日系IT企業や制作会社がベトナムに拠点をつくりました。

エンジニアやIT業界は日本企業の辛い変な慣習が比較的薄い業種・業界です。なので、こういうところで働けば、比較的精神的負荷なく働ける可能性はあります。もちろんIT業界の中にはブラック企業も多いのですが、ベトナム法人、の現地採用に日本本社の人と同水準の社畜度合いを求められても困る、と割り切って働いている人も多いです。

ちなみにベトナム人とのやりとりは、基本英語になります。なので、日本企業でも英語は日常会話レベルではできたほうが良いですね。あと、ベトナムは韓国系企業の進出が多く、韓国人向けに商売できる人の韓国語スピーカーのニーズも高いです。

生活費は安いです。家賃も5万円程度できちんとした物件に住むことができます。

あと、ベトナムでは副業文化が根づいており、雇用主が副業を禁止することが法律で禁じられています。なので、大っぴらに副業をやっている方も多いです。

やっぱりベトナムで海外就職に挑戦したい?

やっぱりベトナムで海外就職に挑戦したい?
200円のラーメン、30円のジャスミン茶、なのに、なんかさまになるベトナム人のセンスの良さ。

産業としてはまだまだ伸びるIT業界などを有し、国の勢いの中で働きたい人にベトナムはおすすめです。これまで日本人がアジアで働く場合、タイという選択肢が身近でした。ただ、タイの勢いは鈍化に向かっているというのは多くの現地タイ在住者が指摘するところです。そんな中、ベトナムが注目を集めています。

ベトナムを海外就職の舞台として選びたい?ベトナムで働くためのビザ要件

ベトナムを海外就職の舞台として選びたい?ベトナムで働くためのビザ要件

外国で働くためには、ビザが必要です。ビザは働きたい国が発給します。多くの国では学歴要件やどの職種で何年の経験があるかの専門性が問われます。

ベトナムで良く言われるのが、学歴の学部要件です。自分の仕事と大学で専攻したことの関係性が問われます。しかも、かなり表層的に

経営学部なら経営者、工学部なら技術者、法学部なら弁護士など。実際学んだことを仕事にする人の方がむしろ少数なので、このあたりビザ申請で(むりくり)こじつける様です。

学歴要件 大卒以上(短大、専門、高卒の場合、可能だが多めにビザ取得費がかかるとも言われる)
就労年数 3〜5年以上が望ましい
年齢制限 特になし
最低給与 職位と給与が一般的な水準から乖離していないことが求められる。現地法人の社長で来るのであれば、それなりの給料であることが必要。

基本的に、人材紹介会社や企業が仕事を紹介したり、面接を申し出た時点であなたはベトナムの要件はクリアしていると思って問題ないです。日本人を雇うことで、ベトナム人の職が失われることはベトナム政府はとても嫌がります。なぜ、日本人のあなたでなくてはいけないのか、ビザ取得時には省・市の人民委員会主席に説明をする必要があります。

海外就職先としてのベトナムとマレーシアの比較

海外就職先としてマレーシアとの比較
こちらはマレーシアクアラルンプールの写真です

ベトナムの方が成長を謳歌している感があります。ただ、給与もまだまだ安いです。また、病院など非常時のライフラインはまだ不十分な点があります。

一方、マレーシアはベトナムに比べると、少しのんびりしています。また、多民族国家で文化に多様性を感じられるのはベトナムとは違いますね。英語ができれば、多くの人とコミュニケーション取れる安心感もマレーシアの魅力です。

ソトシゴトはマレーシアのコールセンターやカスタマーサポートのお仕事を中心に記事を執筆していますが、海外就職でどこで働くかに悩んでいる場合など、気軽に公式LINEからご相談くださいね。

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