【2020年9月】マレーシアにおけるコロナ発生およびロックダウンまでの経緯そして現在の様子

マレーシアのコロナの状況2020年9月

中国湖北省武漢市で初めて患者が確認され、その後世界中で猛威を振るった新型コロナウイルス感染症。2020年9月現在全世界の死亡者数は100万人に迫る勢いとなっています。マレーシアでもそうですが、海外では一般的にコロナではなくコービッド19(COVID-19)と呼ばれていますが、ここでは新型コロナ肺炎と記します。

国をこえた人の移動の自由が奪われて、気軽に海外旅行やビジネスにいけなくなったことは大きな影響があります。また、何よりマレーシアに就職したいというソトシゴトの読者の人たちにとっても影響が出ています。新型コロナ肺炎をめぐるマレーシアの現状をまとめてみました。

ロックダウン前までのマレーシア

ロックダウン前までのマレーシア 今年の旧正月のクアラルンプール国際空港(KLIA)
今年の旧正月のクアラルンプール国際空港(KLIA)

2020年1月にコロナウイルスの患者や感染国が増えたことが世界各国でニュースとなりました。

中国本土のみならず中華圏では旧正月(チャイニーズニュイヤー)の時期であり、マレーシアでも連休となり海外からの観光客も増加。そしてこの頃からクアラルンプールの公共交通機関でも以前はまず見かけることがなかったマスク姿の人が増え始めました。すでにクアラルンプール屈指の観光スポットであるペトロナスツインタワーでも係員がマスクを着用する姿がありました。

さらに旧正月の連休中にプトラモスク(プトラジャヤ)、ジャメモスク(クアラルンプール)、連邦直轄領モスク(クアラルンプール)が突然の観光客の一般拝観中止を発表。

とはいえ3月中旬までのマレーシアの感染者数は一桁台で推移しており、まだ対岸の火事といった雰囲気がどこか残っていました。

マレーシア全土のロックダウンのアナウンス

マレーシア全土のロックダウンのアナウンス

3月16日にムヒディン首相からの3月18日から2週間のロックダウンが発表されました。マレーシアでは「活動制限令(Moving Control Order=MCO)と呼ばれています。

その原因となったのが2月27日-3月1日にかけてクアラルンプール郊外のモスクで開かれた大規模集会で190名ものクラスタが発生しました。この一件でマレーシアの感染者数は一気に400人以上になったことがロックダウンの引き金となったとみなされています。

MCOの内容はかなり厳しいもので特に外出に関しては生活物資の買い物(半径2km以内で家族で1名のみ)、医療期間への通院以外は全面禁止となりました。飲食店の営業はテイクアウトとデリバリーのみ。海外からの渡航者はマレーシアへ入国禁止となりました。マレーシアへの海外就職も物理的にできなくなりました。

外出に際しては最寄りの警察署で「外出許可証」の取得が義務化され、持たずに不要不急の外出をした場合は罰金か罰則、もしくはその両方に。マレーシアではエクササイズや散歩なども許可されず、コンドミニアムなどの付帯設備であるジムやプールも利用禁止。銀行、郵便局といった公共性の高い施設も閉鎖されました。

感染が拡大しつつある中、国内クラスタの発生も確認されたのが3月30日。マレーシア国防省の公式Facebookでは、クアラルンプールの住居兼商業施設内でクラスタが発生し、エリアの完全封鎖にあたる「強化された活動制限令(Enhanced Moving Control Order=EMCO)」を発動したことをアナウンス。また国内各地でクラスタが発生した場合は同様の対応をすることで感染拡大を阻止対策をとることも併せて伝えられました。

コロナの影響で、国教イスラム教のマレーシアの重要行事ハリラヤも様変わり

国教イスラム教のマレーシアの重要行事ハリラヤも様変わり

イスラム教を国教とするマレーシアでは、一ヶ月のラマダン(断食月)を経て新年を迎えるハリラヤプアサは重要な行事となります。今年は4月24日〜5月23日までがラマダンで、24-25日がハリヤラでした。例年であれば家族や親戚が一堂に介して祝うため、いわば日本の年末年始のように帰省ラッシュが起きるのですが今年は早々に「移動の禁止」が訓告されました。

5月1日にロックダウンではありながら、少しだけ条件が緩和された「条件つき活動制限令(Conditional Moving Control Order=MCO)へと移行しましたが移動については解除されませんでした。これは主に経済活動の再開を視野に入れ、政府が新型コロナ肺炎と共に共存しつつ抑制することを目標にしたためです。

5月4日にはマーケット、フードコート、ホーカーなどが再開し商店やガソリンスタンドなどの営業が延長され22時までとなるなど生活が戻る基盤を整えつつありました。ただし娯楽産業やバー、身体的接触を伴うスポーツなどクラスタの発生は懸念される分野においては依然として再開の許可がでませんでした。経済活動を再開させるにあたり、政府が定めた防疫のため遵守しなければならない標準運用手順(Standard Operating Procedure=SOP)が発表されました。

マレーシア政府から経済や日常生活の回復期間RMCO)が発表

マレーシア政府から経済や日常生活の回復期間(RMCO)が発表

SOPが発表されたことにより6月9日に期限を迎える第5期MCOの完全解除かどうか注目される中、6月7日に政府からアナウンスがありました。完全解除ではなく8月31日までの100日間を社会生活や経済を戻すことに軸を置いた「回復のための活動制限令(Recovery Movement Control Order=RMCO)」とすることが発表されました。新型コロナ肺炎と共存しながらニューノーム(新常態)と呼ばれる日常を送りつつ再生する方向に舵を切ったということです。

これにより再開された主な項目は以下のようなものがあります。州をまたぐ移動、美容院や理髪店、マーケット・バザール・ホーカー、博物館・美術館などです。この時点ではバーや映画館、テーマパークといった娯楽施設の営業再開は認められませんでした。

経済活動の再開に伴いSOPの中で義務化されていったものが3つあります。「検温」「手の消毒」そして政府主導で開発された感染者追跡アプリのマイサジャテラ(MySejahtera)です。公共施設などに入る前にこのアプリでQRコードをスキャンすることが必須となっています。またアプリでは新型コロナ肺炎に関する情報なども共有されています。

マレーシアのロックダウンから社会生活の再開

マレーシアのロックダウンから社会生活の再開

100日間にも及ぶRMCOの間には当初再開されなかった業種もありましたが、政府の政策が功を奏したこともあり、陽性患者の発生が抑えられ、死亡者数が出ないことから7月1日以降、映画館、テーマパークなどが再開されました。ただしSOPの厳格な遵守が求められ、違反した場合は営業ライセンスの取り消しなど罰則を伴うものとなっています。

マレーシアではRMCOの発令以降、新規感染者数を抑制するための衛生基準強化のため公共の場所におけるマスクの着用を促していましたが、違反者も多かったため8月1日からは義務とし違反者にはRM1000(約25,000円)の罰金刑となりました。これに併せ8月15日から政府が決めているマスクの1枚あたりの価格をRM1.5(約37.5円)からRM1.2(約30円)へ値下げすることが決まりました。

RMCOの延長と国境の再開

RMCOの延長と国境の再開
マレーシアとシンガポール国境の街、ジョホールバルのバスターミナル

8月31日まで100日間とされたRMCOですが、12月31日までさらに延長が決定しました。公共の場所においてはSOP遵守が必須となりますが、新しい標準つまりニューノームとして定着しつつあります。社会生活はかなり新型コロナ肺炎発生の前に戻りつつありますが、経済面では壊滅的な被害をもたらしたため、回復しているとは言い難い状況なのはマレーシアも他国同様です。

回復の起爆剤としたいのが国境の再開ですが、世界的にも感染者が多い国が多く難しい状況です。そこでまずは隣国シンガポールとの間で一部再開が決まりました。この新たな取り組みは限定的な往来で大まかに言うとビジネス目的のみのビザで往来する「相互グリーンレーン(Reciprocal Green Lane=RGL)」と通勤、通学で日々往来するための「定期的通勤アレンジメント(Periodical Commuting Arrangement=PCA)」の当面は二種類のみとなっています。どちらも国民か永住権保持者のみに適用されるため、一般的な駐在ビザなどは除外となります。

ビジネス目的の双方向の往来に関しては、すでにタイやベトナムなどの間で運用されている「レジデンストラック」の運用が日本との間にも介しされることが決定し、準備が整い次第、相互渡航が可能となる見通しですが、今後の新規感染者数の推移によっては楽観できないとの見方もあります。

ビザの申請などをすることは可能な一方、事実上渡航が制限されていることから、マレーシアのコールセンターでは入社時は日本で在宅勤務する形になるなど対応をしています。

新型コロナウイルスやロックダウンの状況は以下にまとめました。よければご覧ください。

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